2011年12月7日水曜日

研究・開発PC 事例12

師走ですね!


タイの洪水によるHDDの影響に関しまして、「多少回復傾向が見られるようになりましたが、それでもまだ来年1月くらいまでは入手の面で難があるのではないか」という噂がまことしやかに流れております。
価格においても流通においても、以前の水準に戻るのは、早くて来年2月以降でしょうか…。


という状況ですが、官公庁様や学校様関係や一部の企業様は、期末に向けて動きが活発になる時期です。
今月から来年3月にかけて、どこも忙しい日々が続くと思いますが、みなさん頑張りましょう!


…そういえば、去年もちょうどこの時期くらいから「産業PCおてがら屋 生情報ブログ 休載のお知らせ」が続き、そのうち、それさえ掲載しなくなっていったんですよね;
歴史は繰り返すというか何というかにんともかんとも。





【要望】

OS:Windows 7 Professional 64bit

CPU:Core i7 相当

メモリ:8GB or 16GB

光学ドライブ:BD-ROM(リードオンリー)

ビデオ:HDMI x1 DVI x2 相当(デジタルで3モニター使用)

SATAでRAID 1を2つ組む(納入段階では1TB x2でアレイ1つ)
USB 3.0(マザーボード付属のUSB 3.0ケーブルも接続して計4ポート)


【弊社が提案したPCの構成】

OSMicrosoft Windows 7 Professional 64bit 日本語
チップセットIntel Z68 ATX LGA1155
CPUIntel Core i7 2600 3.40GHz(TB 3.8GHz)/8MB
4C/8T 95W
メモリ合計8GB DDR3-1333 PC3-10600 4GB x2
HDD1TB S-ATA 7200rpm 3.5" x2(RAID 1:1TB)
光学ドライブBD-ROMドライブ(リードオンリー)
ビデオAMD Radeon HD 6770 1GB PCI-E
Dual Link DVI-I x1 / Single Link DVI-D x1 / HDMI x1 / Display Port x1
サウンド内蔵サウンド機能
ネットワーク10/100/1000Base-T x1
外部I/FUSB 3.0 x4 / USB 2.0 x8 / IEEE1394 x1 / e-SATA x2
内部I/FPCI-E Gen2.0(x16) x2 / PCI-E Gen2.0(x4) x1 / PCI-E(x1) x2 / PCI x2
筐体ミドルタワー 600W 永久保証電源
外形寸法幅202x高さ440x奥行485(mm)
その他
備考onboard RAID(RAID 1)




ハードウェア構成的には先日の事例とほとんど変わりません;
ただ、今回の事例ではいろいろとありました…。


結論から言いますと、Intel 6シリーズのIntel Rapid Storage Technologyドライバに不具合がありました

【具体的に弊社で確認した不具合の内容】

  • OSはWindows 7
  • Intel 6シリーズでRAID 1アレイを2つ実装する


この条件下で一定時間HDDが非アクティブ状態になると、フリーズ現象が発生します。

弊社が確認した限り、不具合があったバージョンは、10.6.0.1002と10.6.0.1008です。
ドライババージョン10.6.2.1001でこの症状が改善されることを確認しております。



いやはや何と言いますか…。

ちなみに、症状の確認は、「タスクマネージャを立ち上げて放置する」という形で行いました。
パフォーマンスタブを見ていれば、緑のグリッド線が動いているか止まったかで、症状が発生したかどうかを確認できましたので。

これを実施しますと、放置して10分~30分程度でタスクマネージャのグリッド線が止まります
この現象が発生すると、タスクマネージャのウインドウは閉じることができても、OSを正常にシャットダウンすることができなくなります(「シャットダウンしています」の画面でずっと止まってしまいます)。
場合によっては、タスクマネージャのウインドウさえ閉じることができなくなります

放置して2時間程度経つと、OSの時計も止まり、完全にフリーズします(マウスカーソルは動きます)。
また、サスペンド等からの復帰もできません

PC導入当初から「フリーズする」「動作がおかしい」とお客様からご連絡をいただいたので、すぐさま検証を行ったのですが、弊社出荷時やお客様からPCを預かっても、症状が出なかったのです。
それもそのはず、弊社出荷時はRAID 1アレイが1つでしたし、「何をすれば症状が発生するのか不明」でしたので…。
症状を発生させるための条件が、「何もしない(HDDが非アクティブになるようにする)こと」というのは、中々気づけません。
おかげで、症状再現のための条件を確定するのに時間がかかり、また、その原因特定のための検証にも相当時間がかかりました;


もちろん、フリーズと言えばハードウェア不良の可能性も非常に高いです。
しかし、今回はパーツを変え、構成を変え、メーカーも変え、チップセットも変え…ハードウェア不良の可能性は100%ないと言い切れる検証っぷりでしたw

また、「RAID 1アレイが2つ」でないと症状が出ません。
「RAID 1アレイ1つと単体HDD1台/2台」では症状が発生しません。


別のOSでは検証していませんが、恐らくWindows 7でないと症状が発生しないと考えられます。
というのも、不具合があったバージョンでも、下記設定を行うと、症状が改善されるためです。

「スタート」→「コントロールパネル」→「ハードウェアとサウンド」→
「省電力設定の変更」→現在選択されているプランの右にある「プラン設定の変更」→
「詳細な電源設定の変更」→「ハードディスク」の左にある十字をクリック→
「次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る」の左にある十字をクリック

デフォルト設定は20分になっていますが、こちらを0分に設定します。
0分に設定しますと、「設定:なし」となり、HDDの省電力機能がオフになります。

これはWindows 7の省電力機能の一つである、HDDに対しての設定変更です。
これで症状が改善するとなると、Windows 7も症状が発生する条件の一つに挙げられると考えられます。


弊社でも検証と解決までに1ヶ月近く要し、ASUSやIntelの代理店のサポート担当を巻き込んだ、大きなトラブルでした;
Intelにはフィードバックしておくよう代理店に要請しています。
Intelのカスタマーサポートでは受け付けてくれませんでしたので…。

ところで、改善されたバージョンのドライバがASUS Supportにアップされたのは、2011/10/18でした。
ちょうどお客様から預かって検証している真っ最中です。
Intelのサポートサイトには11/4の時点で未だにアップされていませんでした。
※12/7現在、11/11付でアップされた10.8.0.1003が最新のものになっておりますので、恐らく改善されていると思われます。

Intelェ…。


気になる方は、是非是非コチラへ。


←「全部入り」のZ68。


それにしても、6シリーズは何かと大きなトラブルに直面しやすいですね…。
皆さんもお気をつけください!

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