2011年6月20日月曜日

Sandy Bridge検証 5

Sandy Bridgeマザーボードの販売が再開されてから、早2~3か月が経とうとしています。
件のチップセット問題で販売が停止されていた間にたまってしまった注残分の関係で滞ってしまった分も、最近になってやっと大分解消されてきた感があります。
その間にワークステーション用のチップセットも出てきて、今がまさに「さぁこれから!」という時期ですね。

というわけで、前回に引き続き、弊社で行ったSandy Bridge検証のご紹介をしようと思います。
今回は、皆さんも気にされているかもしれません、Linux on Sandy Bridgeです。
下記内容は、全て「Sandy Bridge仕様にLinuxをインストールする」という前提ですので、それ以外のOSのことは完全に省いています
ご注意ください。


前置きはさて置き、とりあえずご紹介していきましょう。


※下記検証内容及び検証結果は、同種・類似チップセットの全てのマザーボードやPCパーツで共通するとは限りません。
また、検証内容や結果に対してのお問い合わせ・サポートは受け付けておりません。
悪しからずご了承いただくのと同時に、参考程度にご覧くださいますと幸いです。




【検証に使用したパーツ】
マザーボード:Supermicro X9SCA C204 ATX
マザーボード:Supermicro X9SCM C204 M-ATX
マザーボード:ASUS P8H67-M PRO H67 M-ATX
CPU:Xeon E3-1230 3.20GHz/8MB 4C/8T LGA1155【C204使用時】
CPU:Core i7 i7-2600K 3.40GHz/8MB 4C/8T LGA1155【H67使用時】
メモリ:合計4GB DDR3-1333 PC3-10600 ECC Unbuffered 2GB x2(ACTICA CT2GHU72C8H1333H 2Gb IC Hynix)【C204使用時】
メモリ:合計4GB DDR3-1333 PC3-10600 2GB x2(Samsung Original)【H67使用時】
電源ユニット:AcBel PC7062-R88/600W(12V2:25A)
【検証に使用したLinuxディストリビューション】
Red Hat Enterprise Linux(以下RHEL) 6
RHEL 5.6
CentOS 5.5
openSUSE 11.4




まずはマザーボードの共通点からご紹介していきましょう。

  • S-ATAポートについて

結論から申し上げますと、「AHCIで使うのが無難」ということですね。
それ以外では、「全く使えない」か「一応使えるけど制限付き」ということになりました。
「制限」というのは、ポート数やポートの位置であったり、OS(ディストリやバージョン)であったり、ですね。

やはり現状のLinuxでは、新しいチップセットのS-ATAコントローラに対応していないということでしょうね。
これが、今後Linuxカーネルにこのこのコントローラのドライバが組み込まれていくのかは不明ですが、AHCIで使えるのであれば、あえて新しいドライバを追加する意味はあまりないのでは…と個人的には思います。
AHCIがたとえS-ATA規格範囲外であったとしても、現実的にはチップセットもOSもストレージもAHCIをサポートする土壌がすでにできているわけですので。




  • グラフィックについて

結論から申し上げると、下記2点に集約されます。

  • Supermicro系は boot : linux vesa などで自動検知のmgaを使わずに、vesaドライバでインストールする。
  • ASUS系のコンシューマ向けマザーボードを使用する場合は、基本的にビデオカードを追加する。オンボードグラフィックは極力使わない。

詳細は後日ご紹介しますが、Supermicroのワークステーションチップを搭載したマザーボードは、Matrox(一部のマザーボードでは、Nuvotonチップに統合されております)のグラフィックが搭載されており、CPUが持つIntelのグラフィックコントローラが使用できない仕様になっております。
Linuxでは、このMatroxコントローラを検知してmgaドライバを組み込もうとしますが、それだと不具合があるということですね。
IntelのCPU統合グラフィックも、一部のディストリビューションでは自動検知のドライバでいけますが、全部が全部対応しているわけではありませんので、やはり不具合が発生します。
これに対しては、ビデオカード(nVidiaチップ等)を追加することで回避できる、ということですね。


あと、ハードウェアエンコード機能に関しては「使えない」と考えた方が良いですw
あの機能は、CPUが持つグラフィックコントローラが有効になっており、且つIntel提供のドライバがOSにインストールされている状態でやっと使用できるものですので;
仮にそこまではクリアしたとしても、そもそもその機能を有効活用できるエンコーダーがあってナンボですので、Linuxにそのエンコーダーを求められますか?というw
上記のとおり、ビデオカードをさしたり、別のグラフィックチップが有効になっている状態では、まぁ使えないですね。




という感じで、今回はこの辺で。
ぶっちゃけ今回の分だけ押さえておけば、大抵のことには応用できると思いますがw
次回は、個別の組み合わせに関して、詳細をご紹介します。


あ、そうそう。念のため。
以前ご紹介しましたが、お客様からのご指定・ご要望がない限り、弊社で販売しているLinux PCの動作保証に関しましては、「OSがインストールできること」、「有線ネットワーク(LAN)が動作すること」、「X Windowが動作すること」の3点になっております。
今回の検証もこの動作保証内容に沿っておりますので、特別な(特定の)インストール方法やLAN以外の各デバイスの動作に関しては保証しておりません。
グラフィックに関しても、「X Windowが動作すること」までですので、特定のドライバを採用した動作も保証対象外になります。

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