2011年2月23日水曜日

医療システム構成PC その6

本日、Windows 7のSP1がリリースされましたね。

ボリュームライセンスやMSDNサブスクリプション、TechNetサブスクリプションでは2/17から開始されており、弊社でも導入は可能だったのですが、さすがに通常業務用で使用しているPCにインストールして、何か不具合でもあったら…と考えると、怖くて自分のPCにはインストールできませんでした;

いやいや、それが仕事でしょう。
問題があるなら、早く確認すべきですので。
しかし、他の仕事が忙しすぎて手が付かなかった問題は今のところ確認されていませんので、セキュリティのためにも、アップデートをお勧めいたします。
また、今回のSPは、Windows 7だけでなく、Windows Server 2008用も同時にリリースされております。


メーカーオフィシャルのSPだというのに、導入を躊躇させてしまうなんて、さすがMicrosoftだと言わざるを得ません。




【要望】


とある医療カルテのインフラストラクチャに増設するためのPC


【弊社が提案したPCの構成】

OSCentOS 5.5 64bit 日本語
チップセットIntel i3420 ATX LGA1156
CPUIntel Xeon X3470 2.93GHz(TB 3.60GHz)/8MB
4C/8T 95W
メモリ合計16GB DDR3-1333 PC3-10600
ECC Registered 4GB x4
HDD500GB S-ATA 7200rpm 3.5" x1(System)
500GB S-ATA 7200rpm 3.5" x11(Data)
※いずれもニアラインストレージ
ビデオ内蔵ビデオ機能 D-Sub x1
ネットワーク10/100/1000Base-T x2
外部I/FUSB 2.0 x4 / シリアルポート x1 / PS/2 x2
内部I/FPCI-E Gen2.0(x8) x3 / PCI-E Gen2.0(x4) x1 / PCI-E(x1) x2 / PCI x1
筐体2Uラックマウントシャーシ 800W リダンダント電源
外形寸法幅437x高さ89x奥行648(mm)
その他8ポート SASカード
備考



以前ご紹介した、この事例の一環です。
これまた以前ご紹介した、ストレージサーバ事例の強化版ですね。
強化版というのか、現行の仕様というか…ただ、前回ご紹介したストレージサーバ事例も現行ですので、しばらくはご提供可能です。
今回の事例は、この事例の時に記載したように、「全てCentOSにする構成」が実現化し、ゲートウェイ、ロードバランサー、データベース、ストレージ、いずれも仕様を刷新された結果です。
今回はストレージということで、仕様が刷新されたゲートウェイ等は、また後日ご紹介させていただきます。


今回変更された点は…当然マザーボードもCPUも変わっていますが、特筆すべき点は、8ポートのSATAカードから、8ポートのSASカードに変更された点ですね。
SASカードといっても、前回のストレージサーバ事例の時に「検証した」というご紹介をしたSASカードとは別の製品です。
前回のストレージサーバ事例で検証した内容は、内部miniSAS(SFF-8087) to miniSAS(SFF-8087)ケーブルを使用する、本来の意味でのSASでした(要は、SAS Expanderを使用して、このケーブル1本でHDDを5台以上認識させる検証です)。
今回は、内部miniSAS(SFF-8087)からSATA x4へファンアウトするケーブルを使用して構成しました。
「SASカード」には違いないのですが…シャーシ側のバックプレーンがSATAの製品を使用したため、こういった仕様にさせていただいております。

HDDは12台ですので、SASカードからSATA x4ファンアウトケーブルを2本出し、残りの4本はオンボードSATAポートから接続しています。
SouthBridge(厳密にはSouthBridgeではないのですが…従来的にこの方がわかりやすいので)の認識の順番とSASカードのケーブルの認識順が特殊で、シャーシフロントから見た時、HDDの順番をわかりやすくしようとすると、ケーブルの順番をかなり工夫する必要がありました;
また、OS側から見た時のHDD認識順もまた特殊でして、ケーブルの順番を確定するまでに結構時間がかかりました;
ただ、SASカード自体はLSIのチップを使用しておりますので、Cent OS 5.5上での認識は問題ありません。

今後も仕様改訂があると思いますので、ストレージの接続方法等はまた別途ご紹介させていただきますね。


もう1個問題になったのは、エアフローです。
HDD(バックプレーン)とマザーボードの間にファンが3基搭載されているのですが、CPUに付属しているIntel標準ファンですと、ハイパースレッディング(以下HT)が効いたQuadコアCPUに負荷を100%かけると、熱暴走してしまいます;
HTを切ればギリギリで範囲内に収まるのですが、これでは性能を発揮できません。
2U用のサイドフローCPUファンを別途用意し、対応しました。
シャーシのファンがサイドフローなのに対し、CPUファンがトップフローでは…というのもありますが、やはりIntelの標準ファンではヒートシンクが薄すぎて放熱能力が低すぎます。
HTがどれだけ発熱に拍車をかけるか、おわかりになると思います…。
2UにHTの効いたQuadコアCPUを搭載される場合は、ご注意ください。


気になる方は、是非是非コチラへ。


←今回使用したSASカードです。

内部miniSAS(SFF-8087)ポートが2つあり、SATA x4ファンアウトケーブルを使用して、8台接続可能です。
←内部miniSAS(SFF-8087) to miniSAS(SFF-8087)ケーブルの例です。

今回のSASカードは対応しておりませんが、SAS Expanderに対応しているSASカードであれば、最大128台までの拡大をすることも可能です。
←内部miniSAS(SFF-8087) to SATA x4ファンアウトケーブルの例です。

この写真はサイドバンドなしのタイプですが、カードとバックプレーンがサイドバンドに対応している製品であれば、サイドバンドケーブルを接続すると、HDD Fail等の信号のやり取りが可能です。
←今回の事例で使用したCPUファンです。

LGA1156対応2U用は2種類くらい候補がありましたが、回転数が高い方を選択しました。
元々筐体内のファンの音量が大きいので、音は気にせず性能重視ですね。

ちなみに、もう1つの選択肢は、回転数が低い代わりにヒートシンクが大きい製品でした。

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