2011年5月27日金曜日

PC組替 事例1

というわけで、先日の投稿分でESECの報告も終わりです!
2週間も経ってしまっていますがwww
っていうか、あれからもう2週間も経つんですか…光陰矢のごとし。


本日からまたPC事例などをご紹介していきます!
ストックがもうないwww




【要望】

テガラ製PC(2004年製)の中身入替

OS:Windows 7 Professional 32bit

CPU:AMD Phenom II X6 1100T
メモリ:4GB デュアルチャンネル
HDD:1TB S-ATA
光学ドライブ:DVD-ROM

ビデオカード:ファンレス ビデオメモリ1GB
PCI:2本以上(できれば3本)
LAN:100BASE-T以上

CPUファン:静音ファンタイプ
電源ユニット:静音ファンタイプ


【弊社が提案したPCの構成】

OSMicrosoft Windows 7 Professional 日本語
チップセットAMD 880G+SB850 ATX AM3
CPUAMD PhenomII X6 1100T Black Edition 3.3GHz/6MB
HT 3.0=5.2GT/s 6C/6T 125W
メモリ合計4GB DDR3-1333 PC3-10600 2GB x2
HDD1TB S-ATA 7200rpm 3.5"
光学ドライブDVD-ROMドライブ
ビデオATI Radeon HD 5670 1GB PCI-E ファンレス
DVI-I x1 / HDMI x1 / DisplayPort x1
サウンド内蔵サウンド機能
ネットワーク10/100/1000Base-T x1
外部I/FUSB 3.0 x2 / USB 2.0 x6 / IEEE1394 x1 / e-SATA x1 /
PS/2 x1(Keyboard)
内部I/FPCI-E Gen2.0(x16) x1 / PCI-E Gen2.0(x4) x1 /
PCI-E Gen2.0(x1) x1 / PCI x3
筐体タワー(流用) 665W
外形寸法幅178x高さ452x奥行605(mm)
その他
備考PCMCIAスロット(流用・PCIスロット1本使用)




弊社製PCのアップグレードということで、ご依頼をいただいた事例のご紹介です。
中身入替が可能なのは、BTOの特権ですね。
これがメーカー製PCとの違いの大きな点です。

とは言っても、PCは日進月歩の世界。
2004年…7年も前のPCとなると、流用できるパーツはかなり限られます。
結局流用できたのはケースとPCMCIAスロットだけですが、PCMCIAスロットは当時のお客様のご指定のもので、今回ご要望いただいた現行のチップセットの仕様ですと、正常動作を保証することができず、この点はご了承いただく形になりました。
これに関しては、後述をご参照ください。


今回の件、当初はSandy Bridge仕様でご要望をいただいておりましたが、これまたやはりIntel 6シリーズ不具合の件で仕様変更になり、AMD仕様になりました。
Bloomfieldという選択肢もあったのですが、ご予算の関係で;
それにしても、やはりAMD仕様は安いですねぇ…AMDのメリットはここにあるというか。
いやいや、価格だけじゃないです。

AMDのチップセットは、Intelに親しんでいる方にしてみれば、なんかトンチンカンな「ん?」という感じですが、プログラムによっては、非常に処理が軽快です。
実際に検証したわけではないので、数字で出せるわけではないのですが、例えばOS(Windows 7)のインストール。
これが早い(体感速度)。
Intelでは、チップセットによってインストール準備の処理(ドライバの検索?)に時間がかかるものがありましたし、ストレスチェックのためのツールのインストール後の起動がサクサク。
恐らく…というか、これを見る限りほぼ確実に、プログラムそのものの処理能力はIntelの方が速いと思いますが、こういった微妙なところでストレスフリーですねw


ところで、Sandy BridgeのCPUに対応するチップセットは、PCIをサポートしておりません
前述の「PCMCIAスロットに関して、今回ご要望いただいた現行のチップセットの仕様では、正常動作を保証することができない」と書いたのは、この関係です。
マザーボードにはPCIスロットがありますが、PCI-Eレーンのブリッジで実現しているバスになりますので、製品によっては必ずしも正常な動作をお約束することができないということです。
これについては、Sandy Bridge検証のところで触れていますね。

しかし、前述のとおり、その後AMD仕様に変更しました。
SB850はPCIをサポートしているようですが、レーン数が不明です。
また、「PCI Interface」としか書いてありませんので、SB850自体がPCIをサポートしているわけではなく、「別チップによるPCIのサポート」という風に読み取れます。
P-ATAやHD Audio、GbEも、通常は別チップのコントローラによってインターフェースを実現していますので…。
ブリッジ(変換)ではないにしても、PCIバス関連では相性問題や競合が出やすいので、やはり正常動作を保証できるものではなく、その点はご了承いただく形になりました。

ちなみに、PCMCIAスロットの代替案をご提案する選択肢もございましたが、お客様側で特殊なカードを使用しており、以前別のPCMCIAスロットでは正常に動作しなかったということがあったため、代案でもやはり正常動作を保証することができませんでした。
どちらにしても保証できないのであれば、まずは動作確認が取れているPCMCIAスロットを流用し、問題があった場合に代案を検討するという形にしております。

参考までに、チップセット図を置いておきますので、ご参照ください。

H67やH61でも同様です。
この世代でPCIをサポートしているのは、Q67・Q65・B65になります。



今回のお客様は、某国内自動車メーカー様のCAD用として使われるとのことで、ビデオカードに関してはOpenGLに最適化された製品が良いと考えていたのですが、ご予算の関係で選択肢から除外…。
そもそも、何のCADソフトを使うのかを伺っていない
E/U様と直接打ち合わせができない場合って、結構苦労するというか、意思疎通がうまくいかなくて、トラブルを抱えやすいんですよねー…。
また、静音性を重視されるということと、かといって性能は落としたくないということから、Radeonしか選択肢がなく、お客様には、お使いのソフトで問題ないかご確認いただき、ご了承をいただきました。

ファンレスのビデオカードは、当然ながら放熱が問題になります。
最近のビデオカードはローエンドでも軒並み熱量が多くなっており、2スロット使用するヒートシンクの製品ばかりです。
そうなると、ハイエンドは言うまでもなく、ミドルエンドでもファンレス製品は難しくなっているのが現状です。

といっても、やはりファンレスの需要は多く、同時に性能は落としたくない(ミドルエンド以上)という要望もあります。
それに応えるべく、ビデオカードベンダーはミドルエンドのファンレス製品をリリースしているのですが、そういったチャレンジャーなベンダーの製品は、信頼性が…というようなところばかり;

そういった状況の中で弊社が採用したのは、Sapphire 11168-15-20R(ULTIMATE HD5670 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-I/DP)です。
nVidiaチップで、ミドルエンドで、ファンレスで、マトモな品質的に安心できるベンダーの製品が見つからなかったということですね。
11168-15-20R自体も、「無茶しやがって…」レベルではありますが、「でもまぁSapphireなら…」というところです。


その他、当然CPUファンも静音タイプの製品が良いということでしたが、BIOSでQ-FAN設定をすれば、ケースファンも含めてかなり音を落とすことができ、且つストレスチェックをかけても温度的に問題ないことを確認できましたので、あえて別売のCPUファンやケースファンは使用しませんでした。
そうでなくとも、回転系は経年劣化が心配されましたが、ガリや異音、回転異常(ムラやブレ、引っ掛かり等)は確認されませんでした。
さすが信頼の山洋製


最後に電源ユニットです。
元々Sandy Bridgeで検討していたというのもありますが、いずれにせよ現行の仕様にするのであれば、余裕を見て600W以上、12V2ラインが最低14A、推奨19Aの電源ユニットが望ましいことから、変更しました。
しかし、元々使用していたシャーシがSupermicro製ということから、電源もSupermicro製である必要があります。
電源ユニットの取り付け部位(ネジ穴)が汎用のATX(PS/2)製品と異なるため、こちらは専用品になります。
もちろん、静音性を考慮し、Quiet FAN採用の電源を選択しております。

また、余談ですが、シャーシも意外と「同じ型番でもリビジョンが違うと、ネジ穴の位置が微妙に異なる」ということがあります。
今回入替は4台でしたが、1台だけネジを留められる箇所が少なくなってしまいましたが、別の方法で固定することにしました。
専用品はこういうことがあるから…;
しかし、基本は規格モノですので、工夫で何とかなるのは、やはり自作のメリットですね。



ところで、今回はケースを流用して中身を組替という形になりましたが、ケースも変更する…つまり、新規PCにPCMCIAスロットだけを流用(しかも正常動作は保証できない)する場合のお見積もりも合わせて出させていただいておりました。
実は、そっち(新規+PCMCIAスロットを流用)のほうが安いです。
ケースを変更する場合は、アルミのミドルタイプを希望ということで、アルミケース自体は結構良いお値段なのですが、それでもケースも変更してしまった方が安いです。

というのは、やはり「組替作業工賃」が含まれてしまうからなんですね。
当然ながら、新規に組み立てるよりも組替の方が手間がかかるわけで、その分作業費用が多くかかってしまいます。
ちなみに、組替の場合、パーツを取り外したり、取り外したパーツを梱包したり(お客様へ返却します)、外観(シャーシ)を綺麗に磨いたり、内部清掃を行ったりします。
社内の経理的(資産)な諸事情から、新規ではなく組替を選択せざるを得ない状況になってしまうパターンはよくあると思いますが、そういったコストも発生してしまうということは、ご了承ください。



ところで、ここまで書いて気づいたんですが、「PC組替事例」って、コレもそうじゃんw


気になる方は、是非是非コチラへ。


←流用したケースです。

数字は気にしないでくださいwww

今でこそ黒が主流で、黒しかご提供できない状態ですが、弊社は昔ながらのアイボリー(白系)をメインとしており、今でもご要望やご指定、選択肢がない場合を除いて、基本的に白系のケースでご案内しております。

←このサイズのタワーケースは、オプション(別売)のマウントレールキット(サイドハンドル付)で、19"ラックにマウントが可能です。
ラックマウント時の高さは、4Uになります。

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