2010年10月4日月曜日

3D CADのAPIテスト用PC 事例1

この「産業PCおてがら屋 生情報ブログ」では、(やってられないほど忙しい時を除いて)週に3回定期的にPCの事例を挙げています。

多少過去のものもあったりしますが、基本的には今でもご提供可能な仕様のものをご紹介しております。
ただ、普通のOA用途のPCなんかをご紹介してもつまらないので、他ではあまりやらないユニークなPC、特定用途のPCをご紹介しようを考えています。

今回の事例も含めると、今のところご紹介したPC事例はちょうど60個のようですが、よくもまぁネタが尽きないな、と。自分の会社のことなのに
こうやって「事例」という形でブログに挙げてるから良いものの、一つ一つwebに「モデル」として出してたら、ヒドいことになりますねw
ぃゃまぁ、違う事例(用途)で同じ仕様とかもあったりするので、モノは言いようというか見せ方というか紹介の仕方次第というか
実際、お問い合わせをいただくのは「研究者様・開発者様のためのスタンダードPC」をコンセプトにしたモデルPC「TEGSTAR」シリーズよりも、フルオーダーPCシステム「TEGSTATION」のほうが圧倒的に多く、弊社がお役に立てるところの真骨頂は「お客様のご要望に沿った、専用のPCをご提供できる」ところにあると考えております。


今回も、そんな事例の一つです。




【要望】


用途:3D_CADのAPIテスト

OS:WinXP Pro SP3

CPU:シングルプロセスが高速なもの
HDD:データは別サーバーに保管するので、OS用+テスト用の2枚を搭載したい
(WD VelociRaptorのWD6000HLHX*2を希望)
(テストデータを書き込むCADの導入など、I/O頻度が高いのでSSDにはしたくない)
ビデオカード:QuadroFX580 1枚

筐体サイズ:ラックマウント(1Uないし2U)

リモートで使用するので、マウスとキーボードは不要
2014年のXP SP3サポート終了期限まで使用したいので、保障期間に「延長3年」オプションを追加


【弊社が提案したPCの構成】

OSMicrosoft Windows XP Professional SP3 日本語
チップセットIntel i3420 ATX LGA1156
CPUIntel Core i5 i5-670 3.46GHz(TB 3.73GHz)/4MB
2C/4T 73W
メモリ合計4GB DDR3-1333 PC3-10600
ECC Unbuffered 2GB x2
HDDWestern Digital WD VelociRaptor
300GB S-ATA 10000rpm 2.5"
WD3000HLFS x2
光学ドライブスリムDVDスーパーマルチドライブ
ビデオnVidia Quadro FX 580 512MB PCI-E
DVI-I x1 / DisplayPort x2
ネットワーク10/100/1000Base-T x2
外部I/FUSB 2.0 x4 / シリアルポート x1 / PS/2 x2
内部I/FPCI-E Gen2.0(x16) x1 / PCI-E(x4) x1 / PCI x1
筐体1Uラックマウントシャーシ 520W
外形寸法幅426x高さ43x奥行574(mm)
その他
備考4年保証



Quadro FX 580を搭載した1U(ないし2U)ラックマウントPCをお探しとのことでしたが、そうそうないですよね…;
そこで弊社に白羽の矢が立ったのですが、これがまたクセモノでした…;

Quadro FX 580はロープロファイルに対応していないため、1Uでライザーカードを使う構成にしました。
しかし、弊社でセットアップをした際、稀に「OS起動時にグラフィックドライバを正常に読み込まず、解像度が正常に出ない」という症状が発生することを確認しました(グラフィックドライバは当時の最新版を使用しております)。
これは、PCI-E Gen2.0バススロットに対し、PCI-E Gen1.1のライザーカードを使用していることに起因する問題だと考えられます(メーカー側で、PCI-E Gen2.0用のライザーカードが用意されておりません)。
この症状は、OSを再起動すると改善されます。

また、PCI-EバススロットにQuadro FX 580を搭載していますが、BIOSのデフォルトではオンボードグラフィックが優先されます(Quadro FX 580が搭載されていても、オンボードグラフィックから映像が出力されます)。
BIOSでPCI-Eを優先にすることはできますが、今回はQuadro FX 580を使用するため、マザーボード上のピンヘッダでオンボードグラフィックを強制的にDisableに設定しました。


HDDに関して、実は弊社初のWD Raptorシリーズ組込PCです。
単品での取り扱いは以前からありましたが、それを組み込んだ状態で納品するのは、今回の事例が初めてです。
600GBを希望されていたのですが、ちょうど発売間もない時期で、供給が安定しておらず、入荷を待っていると希望納期をブッちぎってしまいますので、結局300GBになってしまいました。

ところでこのWD VelociRaptor。
本体は2.5"なんですよね。
これを3.5" HDD形状のマウンタに乗せた状態で販売されているのですが、このマウンター自体がヒートシンクも兼ねているというのが、なるほどなーと感心するところでした。
10000rpmですので、熱もすごいんですよね。
しかもこの3.5"マウンタは、3.5" HDDと同じ部分にSATAコネクタがあるため、本当に3.5" HDDと同じように使えるという。
今回選定した1U ラックマウントシャーシは、フロントからHDDを出し入れできるカートリッジタイプなのですが、それでも普通に対応できるというのは、中々評価できるところだと思います。


ところで、このマザーボードに関して、メーカーではCore i5を正式にサポートしておりませんwww
しかし、Core i3はちゃんとサポートしているのです。
それならCore i5もいけんじゃね?と代理店に聞いてみたところ、「とある企業がこのマザーボードでCore i5 670を動作させた実績を持っている」とのこと。

ktkrwww

しかし、やはり起動時に、”This CPU is NOT Supported!!!”と表示され、起動処理が一旦止まってしまうため、BIOSでエラーメッセージが表示されても止まらないよう設定しました;
ちょっと無理矢理感が否めませんが、お客様にはご了承をいただけました。
メーカーで正式にはサポートされていなくても、動くのであれば、背に腹は代えられない…と;
XeonやCore i3ではこのクロックの製品はありませんからねぇ…。

ちなみに、今回使用したCore i5 670の一つ上のクロックであるCore i5 680 3.6GHz(TB 3.86GHz)も当時すでに販売されていたのですが、1Uラックマウントシャーシを使う関係でマザーボードの選択肢が限られ、そのマザーボードにCore i5 680が搭載できない可能性が高いため、動作確認が取れている範囲内で、最高クロックの製品にしました。


気になる方は、是非是非コチラへ。


←今回使用した1Uラックマウントシャーシです。

前面からHDDの出し入れができ、ライザーによる拡張も可能です。
意外と使えるんだこれが!(何

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