2011年3月14日月曜日

特殊仕様サーバ 事例1

先週末に発生した東北地方太平洋沖地震に関しまして、被災された方には心からお見舞い申し上げます。
関係者皆様がご無事であることをお祈りしております。

弊社営業体制に関しましては、下記リンクをご確認ください。
【お知らせ】東北地方太平洋沖地震による影響について


仕事だけが全てではありませんが、こんな時だからこそ、今自分がやれることを精いっぱいやりたいと考えております。
弊社の業務が被災された方々への直接の支援になるわけではありませんが、仕事を通じての社会貢献が、回りまわって被災された方々への役に立つを祈ります。
また、微力ながら、弊社でも節ガソリン等、支援協力を惜しまない次第です。




【要望】


用途:ファイル・プリントサーバ

OS:なし(Windows Server 2008 R2予定)

マザーボード:Supermicro X8DTi-LN4F
CPU:Xeon L5640 2.26GHz 6Core x1
CPU放熱器は空冷、静音でよく冷える製品
9cmファンはF9-PWM(パルス幅コントロールタイプ)に変更
メモリ:DDR3-1333 2GB ECC Registered x6
HDD:SAS 6Gb/s 10K NS 600GB
ST3600002SS x3
ST3450802SS x5
ST31500341AS x3
※システム:450GB 2台構成でRAID 1(450GB)
※データ:450GB 3台構成でRAID 5(900GB)
※データ:600GB 3台構成でRAID 5(1.2TB)
※1.5TB 3台は取付なし
RAIDカード:Adaptec RAID 51245

NIC:Intel EXPI9402PTL

FDD

DVD-ROM
ケース:Abee AS Enclosure 450TT PURPLE EDITION(ASE-450TTAS-PP)
ケースファン追加(HDD用にSF12-S7 x2、リアにSF12-S4 x1)
電源:Enermax ERV920EWT 85+ Compact

ST3450802SS(単体・予備)

KVM-SW:ATEN CS82U

保証:5年


【弊社が提案したPCの構成】

OSなし
(Microsoft Windows Server 2008 R2 Standard Edition
 日本語 予定)
チップセットIntel i5520+ICH10R E-ATX LGA1366
CPUIntel Xeon L5640 2.26GHz(TB 2.8GHz)/12MB
QPI=5.86GT/s 6C/12T 60W
メモリ合計12GB DDR3-1333 PC3-10600
ECC Registered 2GB x6
HDDSeagate Cheetah 15K
450GB SAS 15000rpm 3.5"
ST3450857SS x2(RAID 1:450GB)
Seagate Cheetah 15K
450GB SAS 15000rpm 3.5"
ST3450857SS x3(RAID 5:900GB)
Seagate Cheetah NS.2 10K
600GB SAS 10000rpm 3.5"
ST3600002SS x2(RAID 5:1.2TB)
FDD内蔵FDドライブ
光学ドライブDVD-ROMドライブ
ビデオ内蔵ビデオ機能 D-Sub x1
ネットワーク10/100/1000Base-T x4
外部I/FUSB 2.0 x4 / シリアルポート x1 / PS/2 x2
内部I/FPCI-E Gen2.0(x8) x3 / PCI-E(x4) x1 / PCI x2
筐体Abee AS Enclosure 450TT ブラック(ASE-450TT-BK)
920W Enermax ERV920EWT
REVOLUTION85+ Compact
外形寸法幅219x高さ499x奥行579(mm)
その他Adaptec RAID 51245 S-ATA/SAS 16ポート PCI-E(x8)
Intel Pro 1000/PT Dual Port EXPI9402PTL PCI-E(x4)
Supermicro SNK-P0040AP4 + 山洋電気 F9-PWM
山洋電気 SF12-S7 x2、山洋電気 SF12-S4 x1
Seagate Barracuda 7200.11
1.5TB S-ATA 7200rpm 3.5"
ST31500341AS x3
Seagate Cheetah 15K
450GB SAS 15000rpm 3.5"
ST3450857SS x1
KVMスイッチ:ATEN CS82U
備考5年保証



某企業様へ導入させていただいたサーバですが、ご覧のとおりご要望が詳細で、サーバとしては比較的特殊な仕様ということで、ご紹介させていただきます。
仕様が確定するまでに、打ち合わせ1回と10往復以上のメールのやり取りをさせていただいておりますが、ある程度はお客様のご要望の仕様を実現することができました。


マザーボードは、オンボードにLANポートが4つあるということでお客様が選定されたものです。
更に2ポートのLANカードを追加し、計6系統のネットワークポートを実現しております。
用途としては、複数本を束ね、帯域の拡張を行い、別サーバと相互バックアップを行うためということと、基幹ネットワークへの接続のためです。
いずれもIntel NICでJumboフレームに対応しており、動作の面でも非常に安心ですね。


CPUに関しては、静音性を実現させるため、熱を持ちにくい=省電力タイプのCPUを選定しております。
また、サーバ用途ということで信頼性や大容量メモリを実現させるため、ECC Registeredメモリを選択し、そのためにCPUをXeonとしております。
ただ、CPU性能はそれほど必要とされていないために、静音性や省電力という選択できた、ということですね。
静音性とCPU能力を両方必要とされる場合は、いろいろと工夫や努力が必要ですが、中々両立は難しいものです…。

今回はDP Xeonと言っても、CPUは1つしか搭載しておりません。
メモリはCPU搭載側の分しか認識しませんので、メモリ搭載量(枚数)にご注意ください。
特に、E-ATX以上なら1 CPUだけで6~9スロット用意されている製品もありますが、ATXサイズですと、1 CPU辺り3スロットしかないのが普通です(物理的な面積の問題です)。

CPUファンは、以前写真だけご紹介した製品を選択しました。
9cmファンを交換できますので、お客様のご要望に合わせ、PWM製品に交換しております。
ファンは、もちろん信頼の山洋製です。


HDDは信頼性と速度を考慮し、SAS製品が選択されております。
ただ、600GBは流通在庫があったものの、450GBは流通在庫がなく、納期も未定の状態だったため、450GBだけは15000rpmのSAS製品に変更させていただきました。
10000rpm製品は性能(回転数)面から、現状、選択されること(需要)が少なく、生産数(供給)も少なくなっており、納期がかなりかかってしまいます。
恐らく、10000rpm製品は、このまま終息に向かうものだと思われます。
今後は15000rpm製品が主流になっていきますので、そちらを選択されることをお勧めいたします。

ところで、10000rpm(Cheetah NS.2 10K)の製品はシリーズ名にNSの名を冠していますが、15000rpm(Cheetah 15K)の製品のシリーズ名にはNSが付いていません。
しかし、どちらもエンタープライズ向けニアラインストレージですので、ご安心ください。

1.5TBのSATA HDDは取付なしの納品ということですが、別途5"ベイに搭載できるHDDケースをご購入いただき、お客様側でそちらに搭載いただいております。
この話はまた後日…。


RAIDカードは16ポートということで、miniSAS(SFF-8087)-SAS x4ファンアウトケーブルを使用しております。
SAS x4ファンアウトケーブルは、SATAコネクタでも使用できます。


ケースに関しては、HDDが多数取り付けられる+E-ATX対応+冷却性能を上げられそうという観点から、お客様のご希望の製品を選択しました。
ただ、お客様ご要望のパープルタイプが完売だったため、色は黒に変更させていただいております。
ケースファンは筐体上部の14cmファンを除き、12cmファンは3つとも静音性や冷却効率・信頼性を考慮し、山洋製に変更しております。

電源は、通常弊社ではAcBel製を標準としておりますが、お客様のご要望により、Enermax製を採用しております。
Enermax製品は、故障しても国内で修理が可能なため、修理の納期が短く、同じ製品を長くお使いいただける点がメリットですね。
通常は、コストの関係から、故障したら同等製品に交換ですので…新品交換は、必ずしもメリットとは限らないということですね。


ひとまず今回はこの辺で…もう1台、同様のサーバとセットで導入しておりますので、続きはそちらのご紹介の際に。


気になる方は、是非是非コチラへ。


←お客様がご希望されていた、パープルタイプのケースです。

Abee Store限定品ですが、弊社でも取扱い可能です(販売していれば…)。
←同じケースのブラックタイプです。

こちらももう、そろそろ販売終了製品です…。
←miniSAS(SFF-8087)-SAS x4(SFF-8482)ファンアウトケーブルです。

miniSAS(SFF-8087)-SATA x4ファンアウトケーブルではSAS HDDに対応できませんが、SAS x4ファンアウトは、SAS/SATA両対応です。
ただし、HDDのようにSATAコネクタと電源コネクタが両隣になっているものは大丈夫ですが、電源コネクタがない、SATAコネクタのみの場合は、対応できない可能性が高いです。
コネクタ形状の問題ですね…。

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